rau răm とは?
ベトナム語「ザウ ザム」の意味・読み方
公開: 2026-09-14
「rau răm」の意味
ベトナムコリアンダー(ラウザム)
rau răm(ザウ ザム)「ザウ→・ザム→」と両方を平らな高さで伸ばす
rau răm とは?ベトナム語「ザウ ザム」の意味・読み方
孵化直前のアヒルの卵 trứng vịt lộn を売る屋台の小皿に、細切りの濃い緑の葉が添えられていたら、それが rau răm(ザウ ザム)です。フォーの薬味には使われず、bún thang(ブンタン)や cháo(お粥)、そして卵料理の相棒として登場する、北部の食卓になじみの深い香草です。すでに miến lươn や gỏi đu đủ の記事でも触れた語で、香草の面ではもっとも独立した個性を持つ一つです。
この語の意味
rau は「野菜・葉物」、răm はこの植物固有の名前で、rau răm は「răm という野菜」を直訳した名前です。実態は Persicaria odorata という学名の多年草で、葉の表は濃い緑に茶色の斑点、裏は赤みを帯びるのが特徴。英語では「Vietnamese coriander(ベトナムコリアンダー)」と呼ばれますが、パクチー(ngò/rau mùi)とは全く別の植物で、名前が似ているだけで混同しないよう注意が必要です。
香りの主成分は長鎖アルデヒドで、ミントとコショウの中間のような刺激的な清涼感があります。日本にはこれに近い香草がほとんどなく、ラウザムはベトナム・タイ北部・ラオス周辺に独自の香りとして根づいた植物です。
発音のコツ
rau・răm ともに声調記号のないンガン声調(平ら)で、「ザウ→・ザム→」と高さを変えずまっすぐ伸ばすのがコツです。Wiktionary の発音表記ではハノイが [zaw˧˧ zam˧˧]、サイゴンが [ɹaw˧˧ ɹam˧˧]。声調自体は南北で変わりませんが、頭の子音がハノイの「ザ」に近い音から、サイゴンの巻き舌に寄った「ラ」に近い音へ変わる点が違いです。
北部(ハノイ)と南部(ホーチミン)の違い: rau răm という語と主な使い道は共通です。北部では bún thang や cháo lòng の薬味として定着していますが、南部でも trứng vịt lộn(南部では hột vịt lộn とも呼ぶ)に添える定番の組み合わせとして広く知られています。
どこで目にするか
屋台や市場の一角で trứng vịt lộn を売る小さな台の上に、rau răm の束と muối tiêu chanh(塩・コショウ・ライムのたれ)が一緒に置かれているのを見かけます。北部の食堂では cháo lòng や cháo gà の器に、注文後にひとつまみ散らして出す店も多く、bún thang のメニュー説明に「rau răm」と具材名で明記されていることもあります。
ベトナムには「Gió đưa cây cải về trời, rau răm ở lại chịu lời đắng cay」という民謡があり、rau răm は「一人残されるもの」の象徴として語られてきました。単なる薬味を超えた文化的な存在感を持つ香草です。
関連語・一緒に出てくる語
| ベトナム語 | 読み | 意味 | 音声 |
|---|---|---|---|
| trứng vịt lộn | チュン ヴィット ロン | 孵化直前のアヒル卵(rau răm を添える定番) | |
| muối tiêu chanh | ムオイ ティエウ チャン | 塩・コショウ・ライムのたれ | |
| cháo lòng | チャオ ロン | 豚モツ入りのお粥(rau răm を散らす店が多い) | |
| diếp cá | ジエップ カー | ドクダミ(対照的に南部で生食される香草) | |
| cháo gà | チャオ ガー | 鶏肉のお粥(rau răm を散らして仕上げる) |
ミニ会話例
よくある質問
rau răm とパクチー(ngò・rau mùi)は同じ植物ですか? いいえ、まったく別の植物です。名前に「ベトナムコリアンダー」という英訳が付いているため混同されがちですが、rau răm はタデ科、パクチーはセリ科で、見た目も香りも異なります。市場では別々の束で売られており、料理での使い道もほとんど重なりません。
rau răm は加熱しても香りが残りますか? 生のまま添えるのが基本で、加熱すると香りの角が取れて弱くなります。cháo や bún thang では仕上げに生のまま散らすのが一般的で、スープと一緒に煮込む使い方はあまりされません。