ướp の意味は?
ベトナム語「ウオップ」の使われ方

「ướp」の意味

下味をつける・漬け込む

ướp(ウオップ)「ウ・オッ↑プ」と鋭く上げて、語末で短く止める

ướp の意味は?ベトナム語「ウオップ」の使われ方

屋台の焼き鳥台で、串に刺した鶏肉がレモングラスや香辛料の色に染まっているのを見たら、それは ướp(ウオップ)された肉です。料理動画やレシピサイトの手順1に必ず出てくる語で、「下味をつける・漬け込む」という意味の動詞。冷蔵ケースの飲み物ラベルに書かれる ướp lạnh(冷やす)という別の使われ方もあるので、両方セットで覚えると誤解が減ります。

この語の意味

ướp は、肉や魚に塩・魚醤(nước mắm)・香辛料を揉み込み、味をしみ込ませる調理工程を指す動詞です。Wiktionary によれば、タイ系の言語からの借用語で、料理の文脈では「肉や魚を塩や nước mắm で、あるいはさらに他の香辛料で味付けする」ことを意味します。日本語の「下味をつける」「漬け込む」に近く、しばらく置いて味を染み込ませる時間の経過も含意する語です。

もう一つ覚えておきたいのが ướp lạnh(冷やす・氷漬けにする)という用法です。もともとの ướp が「何かを別のものと密着させて染み込ませる」というイメージを持つため、「冷気を染み込ませる」という発想で ướp lạnh は「冷やす」という意味になります。缶ビールの陳列棚や自動販売機に「Bia ướp lạnh」と書かれていれば、それは「冷えたビール」の意味で、下味の話ではありません。同じ ướp という字面でも、後ろに来る語で意味がまったく変わる点に注意しましょう。

発音のコツ

ướp はサック声調(上げ)の語で、語末が破裂音の p で終わる「詰まる音節」です。「ウ・オッ↑プ」と鋭く音を上げてから、唇を閉じて息を止めるように短く切るのがコツ。Wiktionary の発音表記ではハノイが [ʔɨəp̚˧˦]、サイゴンが [ʔɨəp̚˦˥] で、どちらも上げ調子で始まり急に止まる音形は共通です。サイゴン式のほうがわずかに高い位置で止まる傾向がありますが、聞き分けが難しいレベルの差です。

北部(ハノイ)と南部(ホーチミン)の違い: 発音の型(サック声調・語末で止める)は共通です。使われ方にも大きな差はなく、ướp は全国どこの家庭料理・屋台でも同じ意味で使われます。違いが出るのは下味の内容で、北部では nước mắm と塩を中心にシンプルに ướp することが多いのに対し、南部では砂糖を多めに使い、ややこっくりした甘みのある下味にする傾向があります。

どこで目にするか

ướp が登場するのは、まず屋台やレストランの焼き物メニューの説明文です。「gà ướp sả nướng」(レモングラス下味の焼き鳥)「sườn ướp mật ong」(蜂蜜だれの下味豚スペアリブ)のように、料理名の中に ướp+香辛料名という形でよく組み込まれています。スーパーの精肉コーナーでは「thịt ướp sẵn」(下味済みの肉)というパック表示があり、家で焼くだけで完成する半調理品として売られています。

料理動画やレシピサイトでは、手順の最初のステップにほぼ必ず「ướp thịt trong khoảng 30 phút」(肉を30分ほど漬け込む)のような指示が入ります。逆に飲み物の文脈では、コンビニの冷蔵ショーケースや屋台の発泡スチロール容器に「Bia ướp lạnh」「Nước ướp lạnh」と書かれ、これは「冷たい飲み物」の目印になります。両方の意味を知っておくと、看板の意味を取り違えずに済みます。

関連語・一緒に出てくる語

ベトナム語 読み 意味 音声
ướp lạnh ウオップ ラン 冷やす・氷漬けにする(下味の話ではない)
tẩm ướp タム ウオップ 下味をつける(ướp とほぼ同義の複合語)
ướp sả ウオップ サー レモングラスで下味をつける
nước mắm ヌォック マム 魚醤(下味付けの定番調味料)

ミニ会話例

店員Gà ướp sả nướng, anh dùng không?(ガー ウオップ サー ヌン、アイン ズン ホン)— レモングラスで下味をつけた焼き鳥、いかがですか?
あなたThịt ướp lâu chưa ạ?(ティット ウオップ ラウ チュア ア)— お肉はもう長く漬け込んでありますか?
店員Ướp từ sáng sớm rồi ạ, rất thơm.(ウオップ トゥ サン ソム ロイ ア、ザット トム)— 朝早くから漬け込んでいるので、とても香りがいいですよ。
あなたVậy cho tôi một phần nhé.(ヴァイ チョー トイ モッ ファン ニェー)— それなら一人前ください。

よくある質問

Q. ướp と ướt はどう違いますか? A. まったく別の語です。ướp は「下味をつける」という動詞で語末が p、ướt は「濡れた」という形容詞で語末が t。声調記号(サック)は同じでも、語末の子音1文字で意味が変わるので、綴りを見るときはそこを確認してください。

Q. ướp lạnh と ướp(下味)は同じ動詞ですか? A. 字面は同じ ướp ですが、実際の使われ方は分かれています。ướp lạnh は「冷やす・氷や冷気に触れさせる」という意味で使われ、料理の下味の話とは別の場面(飲み物や食材の保冷)で使われる組み合わせだと考えておくと混乱しません。

Q. 下味の指示を店で聞きたいときは何と言えばいい? A. 「Thịt ướp lâu chưa ạ?」(お肉はもう長く漬け込んでありますか)や「Ướp bằng gì ạ?」(何で下味をつけていますか)のように尋ねれば、店員が使っている調味料や漬け込み時間を教えてくれます。

あわせて調べたい語

本記事のベトナム語表記・声調・IPAは Wiktionary と Vietnamese phonology (Wikipedia) を主要出典として編集部が照合しました。運営者情報

発音音声は合成音声(Microsoft Edge TTS・ボイス vi-VN-HoaiMyNeural)で作成しています。